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畏敬、謙虚、感謝

名前は知っていた。
昨年、テレビでの特番を見て、この年末年始に会いに行こうって思っていた。
実家から車で30分ちょっとの場所に住んでいる大場満郎さん
大晦日だというのに話は尽きず、あたりが真っ暗になるまで話しをしていた。

「家を出るときが一番の冒険だった」

という言葉を聞いた時、背中がぞくっとした。
大場さんの状況とは違っていると思うが、つい自分のことに重ねてしまったから。
僕が高校三年生の時、それまで将来の話をしたことがなかった両親に、
自分の意思を伝えた夜のことを思い出した。
両親の希望に沿うことができなかったけれど、
反対もせずに素直に認めてくれたこと、申し訳なくてどうようもなく涙が出たこと・・・

そして、もうひとつ。

「好きなことをやっていて死ぬのは本望だとは思わない。
 なんでだろうって考えた。
 故郷で草の上に寝っ転がって匂いをかぎたい、
 納豆かけごはんを腹いっぱい食べたい、
 川の水を手も使わずゴクゴク飲みたい・・・
 だから死にたくない。」

そんな内容だった。
大場さんの中で、この土地がどんなに大きな存在なのか、
この土地の自然をいかに愛しているかを感じることができて、それがとても素敵に思えた。
自然への「畏敬」、「謙虚」、「感謝」の気持ちは、圧倒的な自然に対峙して、
極限に身をおいたからこそ、その言葉に重みが帯びてくる。

***
ここ数年、子どもの頃には気にもとめなかった故郷の自然の目を向けるようになった。
東京での暮らしが長くなり、故郷の記憶が薄れてきたと思っていたけれど、
そうじゃなくって、ちゃんと自分の心に残っているって思った。
そして、もっと故郷のことを知りたいって思った。

年齢を重ねたからかもしれないし、年齢は関係ないかもしれないけれど、
自分がそんなふうに思えるようになったことは嬉しいことで、
そんな時に、大場さんに会えたことは何か意味のあることのような気がする。

畏敬、謙虚、感謝_b0020843_1313356.jpg
by naoki_7979 | 2007-01-05 01:09 | 山形
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