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オーロラの下でカウントダウン

よく聞かれることのひとつに、
「オーロラって、必ず見れるわけではないですよね?」

そして、答えることは、
「フェアバンクスは、オーロラが出る確率が高いですが、
 自然現象なので、必ず見られるとは限りません。」

でも、それを理由に行くのをやめるなんて、もったいないと思う。
今、行きたいという気持ちを大切にしてほしい、行けるなら。
また来年・・・
来年、行きたいと思っているかわからないでしょ。

もちろん、オーロラを待つ旅だから、オーロラが出ることにこしたことはない。
それは間違いないが、結果として、オーロラが出ないこともあった。
見られるか、見られないか、
わからないということを、面白いと思ってほしい。
確実に見られるものではない、また、毎回同じではない、
ということが、旅の期待感が高める要因のひとつになっている気がする。

オーロラが出なかった旅では、ほとんどベッドで眠っていない。
出るか出ないかわからないオーロラを待って、ひたすら起きている生活。
食べて、飲んで、語って、遊んで・・・
オーロラを待つために過ごした時間は、大切な時間だったはず。
一人一人の胸に残る旅だったと思う。


 「結果が、最初の思惑通りにならなくても、
  そこで過ごした時間は確実に存在する。
  そして最後に意味を持つのは、結果ではなく、
  過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。」
  ~ 星野道夫 「旅をする木」 ~


オーロラを待つ舞台は、いつも僕たちを温かく迎えてくれる
ロッジオーナー、キース氏の手作りロッジ。
そこには、ゴハンを作り、酒を飲み、語り明かす旅仲間がいる。
マイナス30度のアラスカで過ごす、あたたかいロッジの風景がある。

年末年始では、食や遊びの幅が広がる。
年越そばや、お雑煮作りなどで、地方色が出るのが楽しい。
書初め、カルタなど、日本の正月を思う遊び。
バナナやシャボン玉を凍らせたり、雪上運動会をやったり・・・。
参加者みんなで、旅を作る。


夜、モコモコの防寒具を着こんで、雪の上に寝転がると、
そこにはオーロラが出るかもしれない空がある。
これからオーロラ生れる瞬間に出会えるかもしれない、
と、ココロが踊る。

さらに、アラスカの自然は、五感を刺激してくれる。
マイナス30度の世界は、アラスカに住む人々にとっては日常でも、
僕たちにとっては非日常の世界。

冬至を過ぎたばかりのアラスカでは、
昇ったと思う太陽は、そのまま水平移動して沈んでいく。
太陽のありがたさを感じる。
雪の結晶が太陽にキラキラと輝く。
夜空には、無数の星が広がる。
雪が降れば、雪が生まれる音が聞こえてくる。
燐とした空気感。
寒さが、身を引き締める感覚・・・


「いつかオーロラが見たい」と思っている人はたくさんいる。
行きたいと思っても、スケジュールもあるだろう、予算もあるだろう、
参加するには、いろんな条件をクリアする必要がある。
そんな行きたいという人の背中を押してあげたいと思う。

オーロラの旅に参加できるメンバーは、15人。
その一人一人に物語がある。
縁あって集まる、旅仲間の物語を、
アラスカの長い夜に、オーロラを待ちながら聞きたい。

年末年始のオーロラの旅は、アラスカで年越しをするスケジュール。
オーロラの舞う空の下で、カウントダウン・・・
そんな最高の場面をイメージしている。
by naoki_7979 | 2010-10-15 14:50 | アラスカ
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